「大脱走」から60年、元兵士らが当時を回想

[ロンドン 16日 ロイター]
脱走不可能といわれたナチス・ドイツの捕虜収容所を脱走し、スティーブ・マックイーン主演映画「大脱走」のモデルともなった連合軍の元兵士らが今週、 ロンドンに集まり、60年前の大冒険を振り返った。
1944年3月のある月のない夜、捕虜の連合軍兵士ら76人はトンネル「ハリー」を通って、ポーランドのルフト第三収容所を脱走した。
そのうちの一人、ジミー・ジェームスさんは、自由を目前にトンネルで待機していた時の興奮を今でもはっきり覚えているという。
ジェームスさんは、ロンドンの帝国戦争博物館で記者団に対し「脱走作戦が成功したことに対する驚きとともに、恐怖の入り混じった極度の緊張を感じた。 とても興奮していたと思う」と語った。
一方、79番目の脱走者となるはずだったケン・リースさんは「トンネルの出口まであと少しというところで銃声を聞いた」と話した。リースさんはあわてて引き返し、 その後、独房「クーラー」に入れられた。映画の中でマックイーンが壁に向かってキャッチボールをしていたあの独房だ。
作戦は、収容所の捕虜数百人による、数カ月にも及ぶ周到な準備を経て実行に移された。
収容所の外の森に向かって「トム」「ディック」「ハリー」の3本のトンネルを掘り始めたが、「トム」はドイツ軍に見つかり爆破された。 そこで「ディック」をトンネルを掘る道具の隠し場所とし、「ハリー」を作戦に使用することになった。
「ディック」はナチスの目を逃れ、現在も残っているという。
この史実を追ったドキュメンタリー「The Great Escape:Revealed」は17日、英国のテレビ局チャンネル5で放映される。(ロイター)




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